御曹司なんてお断りっ◆
ちらりと画面表示を見ると、
案の定の人物から。
とらなかったら
とらなかったで、
まーた 面倒だし。
なんて思いながら、
通話をぴっと押す。
≪どっこにいるんですかぁっ!!!
昴様!!!!≫
通話ボタンを押した途端流れる罵声。
おーおー
予想通り。
カウンターの向こうで
正樹兄が苦笑している。
俺も、スピーカーにしてないのに
外に漏れるほどの声量に
感激を覚えるよ。
俺の鼓膜を破る気か?
「あー、もしも・・・」
≪いぃかげんにしてくださいっ。とっくに会議の時間は過ぎているんです≫
≪社にお戻りくださいっ!!!≫
≪きいてますか!!!昴様!!!≫
『もしもし』も言わせてもらう隙もないほどの罵倒。
良くこんなに息継ぎなしで
怒鳴られるよな。
軽く感動を覚える。
なんて言ったら、
きっと火に油を注ぐことになるから、
とりあえず心にしまっておこう。