御曹司なんてお断りっ◆
俺は、とりあえず
はーっと息を吐いてから、
「聞いてる。
すぐに戻る。」
≪すぐって どこにーー≫
相手の話を遮るように
通話をぶちっと切った。
あー、
怒ってたな。
そりゃ怒るよな。
ちらりと腕時計をみると
とっくに予定の休憩時間は過ぎていた。
「ねぇ、もう一杯
コーヒー貰える?」
正樹兄は驚いたように
俺を見つめて、
「だいじょうぶか?」
とか言いつつ
もう一杯
今度は、アイスコーヒーを注いでくれた。
「あー
俺の秘書『超優秀』だから
大丈夫。」
そんなことを思いながら、
優秀な秘書の
ご立腹な顔を思い浮かべる。
だって、
わるいけど、
こんな気分じゃぁ、
仕事にならないし。
気分はしっかり切り替えないとな。
なんて、軽く自分に言い訳しながら
アイスコーヒーをぐいっと一気飲みした。