御曹司なんてお断りっ◆
「はぁ?」
志保は眉間にしわを寄せて
俺をまじまじと見つめた。
「俺、電話したら志保の携帯です。って男がでてさ…」
「あぁ。建志がへんなこと言ってました!
すいません。気がつかなくて。
折り返しお電話できなくて。」
建志っていうのかよ。
っていうか、呼び捨て。
変なことって…?
===君は信用されてないの?===
あいつの言った言葉が響く。
思い出してイラつく。
===俺と志保は、他人じゃないんだ==
ようやく、意味が理解できて
マジで凹む。
そうか、あいつの余裕はもう、自分のものだという自信ーーーーー
「彼氏かと思ったけど…
・・・・・・ あいつ。他人じゃないんだろ?」
「そりゃ、他人じゃないですけど。」
あぁ。
やっぱり、そうだったんだ。
あっさり認められた。
「電話口で、そいつが言ってたから…
ごめんな。
結婚してるって思わなかったし…
俺、志保に迷惑かけてーーーー」
指輪もしてないし、
一目ぼれだったし…
まさか、人妻だとは思わなかった。