御曹司なんてお断りっ◆

志保がうつむく。

小さく肩をふるわせて…


「あはははははは。」

珍しく大爆笑した。

正樹兄ぃもびっくりして、
カウンターから様子を伺う。


「ご…ごめんなさい。あはは。」

志保は何がツボだったのか、
くるしーとか言いながら、まだ笑ってる。

何なんだ?
なんか、置いてかれてる気がする。



「ねぇ。昴さんって、三兄弟でしたっけ?」

「へ?あっ…あぁ。俺、三男だよ。」

なんだ?

突然の問いに
思わず声が裏返る。


「じゃぁ、どうして私は一人っ子って思うんです?」

「はい?」

え?どういうこと?


そして、志保は
綺麗な吸い込まれそうな瞳で
俺をまっすぐ見つめて

最上級の笑顔で笑いかけた。






「建志は、私の兄です。」








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