御曹司なんてお断りっ◆
「そうですか、建志が私の夫と思ったんですね。
私が結婚していると…
なるほど、
誰かもわからない、建志の言葉を信じたということですね。」
「いや、その…
あまりにも、腹が立って・・・・」
「建志の売り言葉を、あっさりと買ってしまったと?
そうですか、
昴さんには、私は結婚してても、誰か別の男と食事をしたり、
こうしてコーヒーを飲んだりする女に見えると?」
「ちがっ!!何だよソレ。」
ちょっとムッとする。
志保は、ムッとした俺に、
顔をしかめて、そのまま立ち上がる。
おもむろに
カウンターにいる正樹兄ぃに会釈する。
「川端さん。ご馳走様でした。」
「あ。はーい。お会計は…」
あっさり、
レジを済ませる。
「ちょっと、待ってよ志保。」
俺はあわてて駆け寄る。
なんだか
よくわからないが、志保を怒らせてしまったことだけはわかる。
白いブラウスの肩を引き寄せて
俺のほうに引き寄せるが、
あからさまに、視線をそらされた。
結構ショック。