御曹司なんてお断りっ◆
ボー然と立ちすくむ俺に
正樹兄ぃがクスクスと笑った。
俺は、ため息交じりにつぶやいた。
「電話に出たのが、その『建志』って野郎なだけで・・・」
「あはは。
でも、志保ちゃんも、言うね~」
「何が?」
「だって…電話してくれればって…
電話が欲しかったってことだろ?」
あ。そうか。
ここは、いい方に解釈したい。
ニヤニヤするな。気持ち悪ぃ。と言われたが、
コレばっかりは抑える気にはなれない。
やべぇ。ホントにそうなら、
スキップできる。いや、ホントにやらないけど。
なんか、俺って意外と幼いな。
自分で言って少し恥ずかしくなる。
「しかし・・・
志保ちゃんのお兄さんねぇ・・・
変わった人なんだろうねぇ。」
俺は、相当むかついたぞ?
人を不快にする達人ということか?
なんて、
仮にも志保の兄を悪者にしてしまう。