御曹司なんてお断りっ◆
「それに・・・
昴の性格を一瞬に見抜いて
そんな、挑戦的な台詞を選んで、叩きつけたんだろ?」
はい。その挑戦的な売り言葉を
見事に買いましたけど?
「で、志保ちゃんの性格も考慮して
わざと電話があったことを伝えなかったと。」
俺は、そいつの言葉に振り回されて
志保からの電話を待ってたしな。
「なんだよ。志保の性格って。」
「んー。
急に電話を切ったから
次の日電話が来ると思ってた。
でもこない…」
何?
正樹兄ぃは何が言いたいんだ?
「電話が来たら、
すぐにごめんなさいって誤ってスッキリ出来るのに。
スッキリしたら、もう気にならないのに。」
なに??
どういうこと??
「でも、出張後だから
きっと休みたいはずだからこちらからの電話は気が引ける。
って
志保ちゃん、休み中、昴のこと気になっていたんじゃない?」
俺は、顔が熱くなるのがわかった。
正樹兄ぃの推測に過ぎないし、
その『建志』がどういう目的だったかもわからない。
でも、
そうであって欲しい。
俺は、思わず携帯電話を取って
志保に電話を掛けた。