御曹司なんてお断りっ◆
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『新着メッセージ・1』
建志が立ち去った後、
ちょうど、データの打ち込み中
メールの受信に気がついて、クリックした。
「・・・あ。」
思わず声が漏れる。
黒田課長からだった。
ーーー
田中さんへ
今日は、六時にあがれそうですか?
駐車場で
待ってます。
僕の車わかるよね?
黒田
ーーー
「はぁ。」
ため息をついた。
何だろう。
黒田課長は
課長なのに誰にでも優しくて、
新人にさえ○○さん。とさん付けで呼ぶ。
少しがっちりとした体格に
やさしい笑顔の似合う
素敵な人だと思う。
でも、
こんなにストレートに好意をぶつけられても、
困る。
うれしいより、困る。
あれ?
じゃぁ、
昴さんは?
「うーん。」
本当に、どうしようか。
自分自身の問いに戸惑う。