御曹司なんてお断りっ◆

***
******

『新着メッセージ・1』
建志が立ち去った後、
ちょうど、データの打ち込み中
メールの受信に気がついて、クリックした。


「・・・あ。」

思わず声が漏れる。


黒田課長からだった。


ーーー

田中さんへ

今日は、六時にあがれそうですか?

駐車場で
待ってます。

僕の車わかるよね?



黒田


ーーー



「はぁ。」

ため息をついた。
何だろう。


黒田課長は
課長なのに誰にでも優しくて、

新人にさえ○○さん。とさん付けで呼ぶ。

少しがっちりとした体格に

やさしい笑顔の似合う
素敵な人だと思う。


でも、
こんなにストレートに好意をぶつけられても、




困る。

うれしいより、困る。


あれ?

じゃぁ、

昴さんは?



「うーん。」

本当に、どうしようか。

自分自身の問いに戸惑う。

< 150 / 305 >

この作品をシェア

pagetop