御曹司なんてお断りっ◆
今夜の予定は?
***
「だからっもう終わりにしてくれって。」
「昴様ーー
あなたが、この商談をまとめないと、
誰がまとめるというんですか?」
あー、武の視線が痛い。
ちらりと時計に目をやったのが武には気に入らなかったのか、
思いっきりため息をつかれれた。
「ソレほどまでに、
価値がある女なんですか?」
「なっ。
なんだよそれ…」
は?失礼だな。
価値ってなんだよ。
「…私の発言が、
昴様を不快にすることはわかります。
しかしながら、もし女性か仕事かと問われたら
間違いなく、あなたは仕事だというべきです。
それが、わからないような女なら捨ててしまったほうが賢明です。」
いつも以上に饒舌な武に
俺は無性に腹が立った。
わかっているーー。
とは口が裂けても言いたくない。
そんなに、家が大事か。
そんなに、会社が大事か。
「ちっ。」
舌打ちをしてから、
深呼吸をした。