御曹司なんてお断りっ◆
武の言い分もわかる。
仕事だしな。
急に、今夜の商談を持ち込んだのは
先方。
先方も急遽アメリカから来たらしいし。
俺は一応責任のあるポジション。
この商談が上手くいけば、
新しいプロジェクトと
買収もスムーズに進むだろう。
わかっている。
俺が、「花京院 昴」がこの商談の場にいることが大事なのだ。
俺が必要なわけではない。
必要なのは、
花京院というバックボーンの後押し。
すっかり仕事モードが
切れてしまった俺は、
椅子の背もたれに思いっきりもたれかかり伸びをする。
集中力も切れた。
「あーー。」
くそっ
今日の夕日は綺麗だな。
鮮やかなオレンジ色が目に入る。