御曹司なんてお断りっ◆
「はぁ。」
武が盛大にため息をついた。
だから、
分かってるって。
「昴様ーーー。
どうしてもというなら、私が商談に参ります。
企画課の大原本部長と
営業部の宮守部長の時間が取れれば・・・ですが。」
「・・・・は?」
驚いた。
武がこんな
融通を効かせるのは
初めてだ。
俺は、聞き違いじゃないかと
武を見つめた。
「ですから、
さっさと退社していただいて大丈夫です。」
武は笑いもせず、
相変わらずの冷たい視線を投げつける。
武のことだ、
きっと、大原も宮森も予定が空いているはずだ。
しかしーーー