御曹司なんてお断りっ◆
俺の前で、
仁王立ちで腕を組みながら
不機嫌そうに眉間にしわを寄せた武に
なんだか、おかしくなる。
あはは。
上司に対する態度じゃねぇな。
「いいのか?」
「いい。さっさと行け。」
優秀な秘書という仮面をあっさり脱ぎ捨てた武は
しっしと 俺を追い払う。
「昴様、貸しにしておきます。倍返しでお願いします。」
武は、あっさり
仮面をつけなおし、ニヤリと笑った。
「昴様。
コレでも、私はあなたの恋路を応援しているんですよ?
女性のために、
仕事を調節してくれとか、
時間を作ってくれとかおっしゃるのは
初めてでしたので。」
深々と頭を下げながら、ドアを開いてくれる。
「そーだっけ??」
そんなこと無いだろ?俺はいつだってフェミニストだ。
そんなことを考えながら
俺は足早に会社を後にした。