御曹司なんてお断りっ◆
思わず駆け出したくなる衝動に駆れるが、
エレベータの中で一つ深呼吸。
柄にもなく焦っている自分に
俺は苦笑した。
扉がゆっくりあくのももどかしい。
抜けるように降りると、
すぐにポケットに入っている
携帯電話を取りだす。
18:10
無機質な画面に時刻が照らし出されている。
「建志」がとるかもしれないが、
それでも、
俺の焦っている気持ちの方が勝った。
俺は、
志保にコールをした。