御曹司なんてお断りっ◆
~~~♪♪
!!
「あっ」
柄にもなく焦る。
慌てて胸ポケットから携帯を取り出して
通話ボタンを押す。
「もしもしっ」
『もしもし?昴さん?』
志保の声だった。
ほっと安心する。
「あー。志保。」
なぜか少し緊張する。
「今夜の予定は?」
『ふふふ。』
電話口で志保はくすくす笑った。
なんだ?
変なこと言っただろうか?
『今日はーー車じゃないんですね?』
「え?」
「どうして、こちらに?」
振り返ると、志保が携帯電話をもって立っていた。
にっこり笑う志保は
やはり綺麗で、
黒縁のメガネの奥の
綺麗な瞳に吸い込まれそうだった。