御曹司なんてお断りっ◆

~~~♪♪


!!

「あっ」

柄にもなく焦る。
慌てて胸ポケットから携帯を取り出して
通話ボタンを押す。

「もしもしっ」

『もしもし?昴さん?』

志保の声だった。
ほっと安心する。

「あー。志保。」

なぜか少し緊張する。

「今夜の予定は?」

『ふふふ。』

電話口で志保はくすくす笑った。

なんだ?
変なこと言っただろうか?


『今日はーー車じゃないんですね?』


「え?」


「どうして、こちらに?」


振り返ると、志保が携帯電話をもって立っていた。


にっこり笑う志保は
やはり綺麗で、

黒縁のメガネの奥の
綺麗な瞳に吸い込まれそうだった。

< 165 / 305 >

この作品をシェア

pagetop