御曹司なんてお断りっ◆

「えっ?・・あっ あの。」

志保は思わず手を振りはらい
ほほがほんのり赤くなり、言葉につまる。

焦ったように、目を伏せる。



え?

何この反応??

やばい・・・

「めっちゃかわいい…じゃん」

俺は思わず口を押さえて聞こえないぐらいの独り言をもらす。
歩道の二人を夜風が包む。


「あのっ。そんな、勘違いされても困りますが…

 ・・・

 ・・・その・・・

 よくわかりませんが、
 食事ぐらいならご一緒したいと思ったので…」

「うん。ありがとう。」

俺は、素直にお礼を言った。

とりあえず一歩リード?
なんて歩みが遅いんだ。



でも、志保とならこういうのもありかな
なんて思っている
俺がいるわけでーーー

はにかんで、差し出した手を握る
志保はやっぱり
素直にかわいいと思った。


ブーブーブー

「っと・・・」

二人で歩き出そうとした瞬間、
俺のポケットの携帯電話が鳴った。

「あれ?メール?」

武からのメールだった。メールとは珍しい。
志保に目配せてから
メールを開く。



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