御曹司なんてお断りっ◆
アリバイ完了!
***
待ち合わせのホテルに到着すると、
ロビーにはすでに志保が待っていた。
「志保ーー?」
「昴さん。」
俺は、目を奪われた。
いつもの黒メガネをとり、
一つ結びの髪の毛ははずされて、
軽くアップにセットされている。
いつものような
通勤スタイルではなく、
ふわりとした、あわいオレンジのワンピースを身にまとった
志保は、ゆっくりと立ち上がって、
俺に近づいてきた。
「あ・・の?」
しばし見とれていた俺に
志保は不安そうに顔を傾けた。
「あのっ。一応、母の見立てでコーディネートしたんですが・・
我ながら、似合うかなと思ったんですが…
だめでした?」
志保は、不安そうに俺を覗き込む。
俺は、そんな志保の腕をつかみ
ぎゅっと抱きしめる。
「きゃっ。昴さん」
「志保!とても似合うよ。
あまりに、綺麗で言葉をうしなった。」
やべ。理性が吹っ飛びそう。
できるだけ、優しくゆっくり俺は
志保に話しかける。
こんなかわいい格好で
来るなんて、ほかの奴には見せたくないな。