御曹司なんてお断りっ◆

「人工的な光だけど色とりどりで
 綺麗だなと思うよ?」

志保はそっと窓に指を当てて外に見とれている。

「人工的な光ってーー志保らしいな。」

「え?何よ?」

「別に?面白かっただけ。」

俺はそっと志保の後ろに回り込んで
ゆっくりと志保の肩から手手を伸ばして、ぎゅっとした。

「きゃ。あのっ…」

「何?」

後ろから抱きついたらダメだった?


「あの。ちょっと…」

志保が動揺している。

不意に

~~♪♪

俺と志保を邪魔するかのように
携帯の音が響く。


そのまま口説くチャンスだったのに。

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