御曹司なんてお断りっ◆
志保は、あわてて俺の腕を振り払って
携帯電話を探し当てる。
カバンから取り出して
「あれ?--建志だ。」
どうやら、
メールだったらしい。
建志?
ここでこのタイミングで
またあの「建志」に邪魔されるのかよっ
俺は、ため息をついた。
「何?急用??」
「母が建志に、昴さんと食事ってばらしたみたいで、
変なメールが…」
「変なメール?」
「はい。…デートは食事だけ?アリバイ完了!ごゆっくり。-ーーですって。」
志保は一瞬、意味が解らなかったらしく
じっと携帯電話を見つめて、
はっ
と気が付いたらしく
あわてて、携帯電話をカバンにしまった。
「--ぷっ。あはは。
ゆっくりだってよ?志保??」
あわてる志保を俺は楽しそうに見つめた。
どうやら、建志は邪魔じゃなくて
フォローしてくれたようだ。