御曹司なんてお断りっ◆
****


「あはははっ。」


「正樹兄ぃ。笑いすぎ。」


大爆笑だよ。
失礼だな。

ちょっと腹が立った。

カウンターの中にいるエプロン姿の男性。
正樹。

正樹兄ぃは、母方の親戚で、
このオフィス街にカフェを出している。


メニューもコーヒーとケーキが一種類しかない。

ほとんど趣味でやっているようなものだ。


店内も、シンプルで、
カウンターと少し奥に四人掛けのテーブルがあるだけだ。



ランチタイムにも、食事メニューを出していないため、お客さんはいない。
こんな、店なのによくやってるよな。


「それにしても、昴がふられるなんてな~」

正樹兄ぃはにやにやしながらコーヒーカップを並べている。



「俺、自信喪失・・・」


しくしくと泣きまねをすると
それが面白かったみたいで、
正樹兄ぃはまた爆笑した。


そんなに、笑われるとさすがに
へこむ。




ちぇっ。なんだよ。


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