御曹司なんてお断りっ◆
「なんでって?
俺は、別に『家柄』とかに興味はないし、
志保がいいと思うし、志保がほしいよ?
志保が、花京院という名が嫌だというなら、俺は捨ててもいい。」
「---っ。
そんな、簡単に・・・」
志保は呆れた様に俺をにらみつけてきた。
「--本気だ。
どうしたら、わかってもらえるんだ。
こんなに、
こんなに…愛おしいのに。」
胸がーーー苦しい・・
伝わらないってこんなにもどかしいのか。
「でもっ……簡単に『家を捨てる』なんて言う人・・・
わからないわっ。
あなたには、あなたの会社も部下も仕事も…
責任があるでしょう?
すべてを捨てて私を取る意味が解らないわ。
無責任な御曹司はーーーー最低だと思うわ。」
志保の冷たい視線が俺に刺さった。