御曹司なんてお断りっ◆
「志保。
あいつは・・・あまりよくないよ?」
建志の忠告が聞こえなかったわけじゃない。
建志がわざわざ
忠告するということは
それだけ、志保のことを心配して・・というのもわかっている。
それでも、
志保は目の間の彼の優しさを信じたかった。
「やぁ、志保ちゃん。今日もすてきだね。」
「神山さん。」
ふんわりと笑う彼に、笑顔を返す。
オトナの彼と釣り合いたいと、
高校生なりに、
背伸びをしていたかもしれない。
「どうぞ?」
ガチャリと車の助手席のドアを開けて乗せてくれる。
志保は決めていた。
この車に乗るまえにーーー
告白しようと。
「あのっ。神山さん・・・」