御曹司なんてお断りっ◆
「ちょっと・・ッ建志。」
志保はあわてて、建志に詰め寄るが、
建志がスタスタと志保の肩を抱き寄せて歩く。
絶対、誤解されたよね・・・?
「なぁ、志保、
いつまでその伊達メガネつけてんの?」
建志はふと歩みを緩め、志保のメガネを取り上げる。
そのまま、メガネを志保が肩から下げている
カバンにスルリと滑り込ます。
「あ。ありがと。」
その仲が良さそうに歩く二人の後ろ姿を
黒田課長は
はぁっとため息交じりに見つめて、
軽く首を振って
会社へと続く裏口のドアを開けた。