御曹司なんてお断りっ◆
木曜日。
「いらっしゃーい」
・・・・・
昨日と同じパターンで迎えられた。
ナンパ男は私のどこが気に入ったんだろう。
冷たくあしらっても食いついてくる。
私はいつものようにテーブルにつくと、
そのナンパ男もいっしょに座る。
「ねぇ。今夜ご飯食べにいこうよ!」
「…一人でいけば良いんじゃないでしょうか?」
「ひどっ。俺、君と行きたいのに…ね。名前教えて。」
「…なぜあなたに教えないと…」
「だから~昴って呼んでよ」
「めんどくさい男。はぁ」
小さくため息をついたら
それがおかしかったらしく、
あはは。と笑われた。
屈託の無い笑顔。
きっと女性にももてるだろうなぁ。
私の相手なんてしないで、
ほかの子を引っ掛ければ良いのに。
でも、
そういえばポーチのお礼ってちゃんと言ったっけ?
うーん。一応…
届けてはくれたしなぁ。
「あのっ・・・・・」
「なに??」
まっすぐ顔を見つめられた。
「言い忘れてましたが、
ポーチとどけてくれて。
ありがとうございます。
助かりました。」
よし。
これでお礼はきちんと言えたっ。
一仕事終わった気分。