御曹司なんてお断りっ◆
「いえいえ。そんなこと。
だって、君に会えたきっかけと思えば。」
「でも、お礼として、昴って呼んでくれると
俺、うれしいな。」
屈託のない笑顔に思わず見とれる。
「あ。ねぇ、もしかして携帯 いっしょ?」
ふいに机においてあった私の携帯を指差す。
それは
最近機種変更したばかりの白い携帯電話。
人気の芸能人がCMしてて…現在品薄だからといって
予約してようやく機種変更した携帯。
「ほら」
見上げると、同じ携帯電話だった。
「あ。ホントだわ。」
「運命?」
また、楽しそうに笑った。
ホントに恥ずかしげもなく、
照れることを言う人だな。
「ね。ちょっと貸して見て」
楽しそうに笑う昴に、携帯を差し出す。
色も同じ白。
と、ふいに、かってに私の携帯をピピピッと操作をする。
「ちょっ!!!」
~♪♪
「はーい。携帯番号げっと!!
俺のも登録しといてね。」
信じられないっ
にっこり笑顔のナンパ男の携帯をめがけて
ばっしゃっ
握り締めたコップの水をかけた。