御曹司なんてお断りっ◆
私は、とりあえず手前にあったワンピースを取ると、
奥の部屋へと向かう。
シンプルだけど、
綺麗にラインがでる素敵なワンピース。
「…昴さんが選んでくれるなら、何でもいいのに。」
着替えて戻ると、
昴さんも、シャツを脱いで軽装になっていた。
「志保。ドレスはこっちに置いといて。
後で、武に持ってこさせるから。
ごめんな?
今日は疲れただろ?」
「大丈夫。素敵な家族でしたよ?
昴さんに似て、ホント個性的。」
「それって、褒めてる?」
あははと軽く笑いながら、
昴は志保をグイッと引き寄せて、頬にキスを落とす。
そういう動作もいちいち様になっているから
ドキドキして困る。
「で?志保の家族にはいつ会えるの?」
耳元でささやくように聞かれる。
ドキンとして、一瞬の間が開く。
「うぅーん。」
「何?俺じゃ不満?」
「いやぁ・・・そういうわけじゃ・・・」
「体も合ってるのに?」
昴の綺麗な指先が志保の首筋から背中をゆっくりとなぞる様に
静かにおりる。