御曹司なんてお断りっ◆

昴は両親はおろか、
志保の兄の『建志』にすらあってない。


まぁ、昴が忙しいというのもあって、
志保の家族との時間もなかなか合わないのだ。



そもそも、お調子者の母のことだ。
昴さんにあったらすぐに日取りや新居を勝手に決めそうで怖い。

というか、
もともと、『名家』に嫁げとずっと言っていた祖父の方が厄介かも。

『花京院 昴』との結婚だったら、
顔を会わせたその日に、婚姻届を書かされそう…


やさしい父はきっと、自分のペースでやりなさい。と言ってくれそうだけど、
きっと、建志は面白く引っ掻き回す。


そんな光景が思い浮かぶから、
志保は ちょっと 苦笑いを浮かべた。




「やっぱり、こんな家に嫁ぐのは嫌?・・・・・」

昴の悲しそうな顔に志保はびっくりする。

いつも強気で強引な彼がこんな表情をするとは思わなかった。

「俺だって、生まれたところが
 こういう家だったってだけ。
 だから、これが俺の『当たり前』

 だから、志保は 諦めて大人しく俺のお嫁さんになりなさい。」

「------ぷっ。


 あはは。なに、それぇっ。」

やっぱり強気な昴に、志保は声を上げて笑った。




「え?なに?おかしかった?」
ちょっとムッとする昴が志保は、愛しいなと思う。

志保も、私の家族に会わせなきゃと、
覚悟を決めた。






< 303 / 305 >

この作品をシェア

pagetop