御曹司なんてお断りっ◆
願っても無いチャンス到来!
「らっきぃー♪
じゃぁ、昴ってよんで♪
それで、チャラにしようぜ」
志保ちゃんは、びっくりしたように綺麗な黒い瞳を見開いた。
「え?
・・・・・・
では、昴さん。…」
戸惑ったように、
志保ちゃんは少し声のトーンを落として呼んでくれた。
コレだけでうれしくなる。
「ありがとう。
うれしいな。志保ちゃんが呼んでくれて。」
「いや、呼ばされたんですが」
はは。その通りなんだけど。
相変わらず手厳しいことを言われて
笑いがこみ上げる。
そっと手をとり、いつもの志保ちゃんの指定席へ。
うーん。
さりげなく手を握ったけど、
怒られないよな?
志保ちゃんも自然に、手をとり
エスコートされた。
その姿は実に優雅で
ひとつに結んだ髪の毛がさらりとゆれる。