御曹司なんてお断りっ◆
料理の味はどれも上手いと思う。
大学時代の友人の直人の店。
パスタやピザからオムライスやハンバーグまで、
オールマイティに出してくれる洋食屋だ。
「昴さん。とても美味しい!」
「志保が喜んでくれてうれしいよ。」
喜んでくれてよかった。
テーブルの上には、直人がお勧めする料理がいくつか並んでいる。
そんなに喜んで食べてくれるなら、
最初からココにくる予定にすりゃよかったな。
「志保が、堅苦しいディナーとか苦手って知らなかったから、
ごめんな。」
「いえ。
ただ、無理やり贈り物されたり、
着せ替え人形みたいに、
着飾られたりするのが、嫌なだけです」
きっぱりと言い切る志保にまた笑ってしまった。
面白い女。
「だから、敬語やめてって。」
「あ。」
ふふふ。と笑う。
すこし照れたようにはにかむ笑顔に
見とれる。
「…なにか?」
「んー?志保って、美人だな。
とおもって、見とれいてただけ。」
「・・・・はぁ。
どーも。」
照れてるのか、不快なのか、
よくわからない複雑な表情でお礼を言う。
なんだ?