御曹司なんてお断りっ◆
仕事をしてください。
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翌日は嫌味なくらい晴れだった。
「あぁぁーー。
なぁ~~武ー。俺って薄っぺらい人間ー??」
「あなたが、薄っぺらい人間かどうかはわかりませんが、
さっさと、その薄っぺらい書類たちに
印鑑を押してくれると助かります。」
銀縁のメガネをキラリと光らせて、
俺の手元の書類を指差す。
武は、俺の優秀な秘書。
もともと兄貴の秘書だったのを引き継いで
俺の秘書になった。
武はどさっと書類をさらに机に載せる。
まじか・・・
電話帳かよ。
「何でこんなに…過労死する」
ばたっと机に顔を伏せる。
あー、もう無理。
心が折れる。
「そもそも、現代のIT社会の中なんでこんなに書類が多いんだよ。
資源の無駄だろ??
なんでこんなに・・・・
もっと効率化させないとーーー。
大体、書類を作ってプリントアウトする時点で
インクと紙とが無駄になるからーーー」
「・・・・・だから?」
武の一言で
空気が凍った。
うわー、マジ怖ぇ。
はいはい。
文句言わずにやりますよ。