御曹司なんてお断りっ◆
「・・・いっときますけど、
昴様が夕べ、
会食をキャンセルして
デートなどに行ってるからこんなに書類もたまってるんですが?」
「ーーー」
俺は聞こえない振りを決め込むことにした。
別に、書類の多さにため息を吐いたんじゃないけど
言い訳するのも面倒だし、
デートの件が気になって
ため息って言ったら
余計怒りそうだしな。
武は仕事も速いし、
先読みも出来るからいいんだけど、
こんな融通は利かないんだよな。
「・・・最近、正樹様のお店に行きたいとおっしゃるから
ランチの会合などをすべてキャンセルしているのをご存知で?」
はい。よく存じ上げてます。
なんていったら、
火に油なので、
聞かない振りで、
目の前の書類に目を通す。
「・・・よって、今日はこちらに軟禁させていただきます」
は?
顔をあげた瞬間…
ガチャリ。
左手につめたい感触。