安堵する雨音 ―愛しき指使い―

少し意地悪な表情で私の顔をのぞく亮介。




「イタズラな指だね。いつから――?」




「うちのバーで飲みなおそうって言ったのに
着いたとたん寝ちゃうんだもん。

オレ、暇だったから」





周囲を見回すと、確かにバー。
でもスタッフは誰もいない。





「閉店時間を過ぎても起きないから、
スタッフはみんな帰したよ」





そう言いながら器用に動く指。
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