彼のネクタイの、その下に…
…バレてた。
ふっと、フロアの奥の電気が消えて、人の気配がなくなる。
あたしを挑発するような意地悪な視線は、もはや爽やかとかじゃなく男の表情(カオ)で。
あたしを更に翻弄する。
心臓の鼓動が速まって、頬が熱くなる。
体の奥深くで、何かがジンと疼く。
隠しようがなくて、観念して彼を見上げれば。
「そーゆー顔、そそられるな。」
大きくて綺麗な指に優しく顎を掬われて、彼の唇が、あたしのそれに重なる。
・・・今夜もあたしは、大好きな首元に、キスをする。