アナヒトツ
1



オレンジ色の夕日が差し込む教室。

向かい合うのは少女と少年。


遠目で見れば青春の1ページを切り取ったような絵面だが、彼らの会話の中身は



だった。




『どういう事よ!』

「だから何度も言ってんだろ。もういいんだよ、お前との関係は」

『関係ってさぁ、私とアンタにはソノ関係しか無いじゃない!』

「ハッキリ言わせんなよ!だからお前の体に飽きたんだよ!」


『ひっど…あんだけしこたまヤっといて…。あんたの暴れん坊のせいで最近股ずれ起こすし顎関節症予備軍なんだよ!』

「知るかよ!お前も割り切って付き合ってたじゃねーかよ!」


じゃあな、と言い捨て少年は机に放置された鞄を掴むと扉へと向かう。

しばし呆然と宙を見ていた少女は、我に返ると振り向いた。


『このヤリチン!!』

「うっせー!セフレマニア!」


ずかずかと廊下を鳴らしながら少年は遠ざかってゆく。

教室に一人取り残された少女は、俯くと小刻みに震えだす。
一筋の滴が頬を伝うと、それが合図かのように次々と溢れ出し、木目の床に染みを作った。

先程まで卑猥な言葉を吐いていたとは思えない、あどけなさの残る桜色の唇がわななく。




『何で…………いつもこうなの?』

















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