僕がもらった神恋
「そんな落ち込んだ知里ちゃんに、
戸山さんは心配するふりして
やさしく声を掛け近付いたんや。」


戸山さんが知里ちゃんに?



「戸山さんは知里ちゃんに、
『福士は知里ちゃんに全然興味ない、
それどころか付きまとわれて鬱陶しい。』
と、福士が言ってたと、
知里ちゃんに伝えたんや。」


「ええっ!?
俺そんなこと一言も・・・」


「わかってる!!
これは戸山さんが知里ちゃんを
落とすために言ったデタラメや。」



そんな・・・

なんでや・・・



「弱ってた知里ちゃんは
戸山さんのやさしさに惹かれて
付き合うようになった。
でも、戸山さんは新しい彼女ができたら、
すぐに知里ちゃんを捨てた。

別れたくない知里ちゃんは
戸山さんに付きまとってたけど、
結局受け入れてもらえず、
最後はボロボロになって
会社を辞めて行った・・・
知里ちゃんは戸山さんに遊ばれたんや。」



知里ちゃんが・・・


俺は何かわからないけど、
怒りのようなものが込み上げてきて、
体が震えだした。



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