僕がもらった神恋
「さぁ、戸山さん帰りますか?」


豊永が戸山さんの背中に手をまわした。


「あの・・・」


「はい!?」


戸山が博己に話しかけた。



「助けてもらって
ありがとうございました。」


戸山さん・・・


「いえ、頑張ってくださいね。」


「はい・・・」


戸山は博己に小さく頭を下げた。


「じゃあ行くわ。」


豊永が博己に軽く手を挙げた。


「おう。」


博己も応えるように軽く手を挙げる。



豊永、頼んだぞ・・・

戸山さん、頑張って・・・


博己は帰って行く元同僚たちの後ろ姿を
じっと見つめていた。


博己の中で戸山への怒りは消えていた、
それよりこれからまた頑張ってほしい
その想いだけだった。


< 245 / 258 >

この作品をシェア

pagetop