初恋は実らない
「ごめ~ん、淳ペー。
私、そろそろ帰るねっ!」

突然の私の登場に驚く小西さん。

何か言いたげなのに、何も言わない淳ペー。
そこへ小西さんが切り出した。


「えっと・・・確か、バレー部のマネージャーさん?」


なんだ、私の事 知ってたんだ。


「ええ、そうです!
ちょっくらバレンタインの定期配達に・・・」


「あ、橋本君ごめんなさい。先客がいたんですね?」


はぁぁ、どこまでもソツがない人だ。


見た目が良くて、頭も良くて。
淳ペーが手にしてるモノをじっと見ると

「あ、この包みって・・・貴方が橋本君に?
私、お邪魔しちゃったんですね?」


そんなの、気付かなくていいのに・・・。


「いえいえ、そんな大した物じゃないし・・・」


「義理チョコ…ですか?」


普通、ソコ突っ込むかな・・・。

ちょっとどころか相当カチンときた。

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