初恋は実らない
放課後、俺は実咲を捕まえた。

「なぁ!」

「ん?」

頼りなげな目で俺を見つめる実咲。

こんな、背低かったっけ?
上目遣いで見られて、ちょっとドキドキする。
しかも・・・
こいつ、こんなに可愛かったっけ??

「何? 何か用?」

ちょっと首を傾げた様子も可愛くて・・・。

あれ!?
俺、どないしたんや?

「もー。 用が無いなら行くよ?」

「ちょ、待って(慌)
なぁ、お前…卒業したら、どないすんねん?」

一瞬、流れる沈黙。
そやけど実咲は困ったように呟いた。

「えーと、うーんと…家事手伝い?」

それって・・・
受験、全滅したって事やんな??

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