初恋は実らない
「見――つけたっ!
ね、一緒に帰ろ?」

頼む、小西。
空気読んでくれ。

「じゃ、私はもういいかな?」

おい、実咲。
なんでお前が慌てて逃げようとすんねん?
今日はキッチリ話聞かせてもらうで!
小西に邪魔はさせん。

「いや、待て。話、途中やろ?」

「でも・・・」

明らかに変な空気。
知らんヤツから見たら修羅場っぽいかもしれん。
そんでも俺は・・・
こんな中途半端はイヤなんや。

続けて話そうとする俺の後ろから

「松永!」

突然、実咲を呼び留めたのは・・・

担任やった。


「ちょっと職員室まで来れるか?」

「はい・・・」


そうして、実咲は担任と姿を消した。

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