初恋は実らない
どの位そうしとったんやろ。

気付いたら俺は実咲ん家(ち)の玄関先でへたり込んでて。

たまたま通りがかったおばさんに声を掛けられた。


「松永さんにご用?」

小さく頷く俺に

「お引越し…されたわよ」


引越し!?


「どこへ…?」

「ロンドンって聞いたけど・・・」


ロンドン!?
なんで??


「ロンドンって、イギリスの…?」

「ええ。旦那さんのお仕事で、って」

「でも今日、卒業式で。
実咲も来てて・・・」

「卒業式を済ませてから行く、って。
だから今頃は空港近くのホテルじゃないかしら」


ホテル!?
そんなら、もう実咲は・・・


「あのっ、いつ行くかご存知ですか?」

「明日…?
確か卒業式の翌日って言ってたような・・・」

「ありがとうございました!!」

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