初恋は実らない
ためらう事なくインターホンを押した。


『は~~い』


飛び出して来たのは・・・

淳ペーのお母さんだった。


「あれ!? 実咲ちゃん・・・?」

「ご無沙汰してます」

「イギリスに・・・行ったんじゃなかったっけ??」

『?マーク』満載で問いかけるおばさんに、私は答えた。

「祖母が入院して…一時帰国してるんです。
えと、淳ペ…じゃない、淳くんは?」

「淳?あ~、あのバカまだ帰って来てないのよ。
時々、友達の家に泊まる事はあっても必ずメールして来るのに。
夕べに限っては無・断・外・泊!!
帰って来たら絞める。反省させちゃる!!」

し、絞める・・・?

いやいや、今はそうじゃなくて。

「実は10時に待ち合わせしてたんですけど全然来なくて・・・。
もしかしたら事故に遭ったとか」

「事故!?」

< 193 / 284 >

この作品をシェア

pagetop