初恋は実らない
「ごめん、実咲・・・。
俺…酔っぱらって小西の家に…。
なんでなんか、どうやって行ったんか…さっぱり分からんねん。
しかも、そこでの記憶も全然ないし…。
せやけど、ごめん! 実咲、ごめん!!」

それって・・・。

落ち着け、実咲。
落ち着くんだ。

その時、ふと小西さんの言葉が甦った。


 『アナタには悪いけど…淳と私は、そういう関係なのよ。
もう彼に纏わりつかないでね?』


直球すぎるのは私にだって分かる。
でも、訊かずにはいられなかった。


「ねぇ淳ペー。
どうして嘘吐くの?
小西さんの家にいたのに、吉武くんの家にいたって・・・。

それって、もしかして小西さんと何かあった?」


淳ペーからの返事は…無い。


「ひょっとして・・・
小西さんと…エッチしちゃった…、とか?」



!!!


電話越しに淳ペーが息を呑んだのが分かった。


またしても返事は無い。



でも、私だってバカじゃない。


沈黙が肯定を意味する事に、気付かない程お気楽じゃないよ。

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