初恋は実らない
「待てよ、実咲!
俺…小西の事なんか何とも思とらんし…それにネックレスが返って来たってどういう事やねん!?」

「淳ペーの家に行った帰り、小西さんに会ったんだ。
私があげたネックレス…彼女が持ってた。
淳ペーが脱衣所に忘れてたって。
だから届けるところだって言ってたよ。

それって…淳ペーが小西さん家(ち)のお風呂に入ったって事でしょう?」


電話の向こうで淳ペーが絶句したのが分かった。


もしかしてネックレスを忘れた事にも気付いてなかった?

所詮、私って…その程度だったんだなぁ。


「小西さん、首筋にキスマークつけてたよ?
淳ペーがつけたんでしょ?

淳ペーが遠恋で我慢してたとも言ってた。
でも、その分 小西さんが優しく応えてくれたんでしょう?
良かったじゃん!

最初から私なんて…必要なかったね!」


もはや自嘲的な笑いしか浮かんでこない。

「メールももういいや。要らないっ!
私からも送らないし。
これで終わりにしよ??

余計なお世話だけど、吉武くんとケンカにならないようにね!

さよならっ!!」

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