初恋は実らない
どうやら私はエレナちゃんに気に入られてしまったようで。

その後、一緒にアトラクションを回る事に。

カタコトの日本語とはいえ「お姉ちゃん、お姉ちゃん♪」と慕われると悪い気はしない。
一人っ子なので余計にそう思うのかも。
エレナちゃんも一人っ子だから兄弟が欲しかったんだろうなぁ。


そのまま一緒にパレードを見るうちに、エレナちゃんが眠ってしまった。
きっと疲れちゃったんだろうなぁ。

ホテルは都内に取ってあるみたいだから、すぐに戻ってもらうようお別れをした。
本当は夕食を誘われていたけれど丁重にお断りして、再び橋本さんと二人。


「参ったな…」

ボソッと呟くように話す橋本さんに首を傾げると

「あの人、ハヤミ・コーポレーションの社長だよ」と。


ハヤミ・コーポレーション!?


私だって知っている。
有名な企業だ。


単身渡米し、一代で大企業へと叩き上げた起業家の速水 義兼氏。
その人がエレナちゃんのパパだったなんて!


「名刺を渡されてビックリしたよ。
私用の連絡先まで交換してビビった」


橋本さんにとっても驚きの人だったみたい。

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