初恋は実らない
「久しぶり!」

無理矢理に笑顔をくっ付けて私は声にした。


目の前には淳ペー。
すぐ隣には橋本さん。



「なぁ、なんで? なんでお前がここにおるん?
つーか、この人・・・誰?」


淳ペーの疑問はもっともだ。



えーと、こういう場合は…どうしたらいいんだっけ??


「あの、こちらは橋本さんで・・・えっと、こっちも・・・橋本さん?」


我ながら要領を得ない紹介だ・・・。
情けない。


自分自身を落ち着かせ再度二人を紹介する事に。

「こちらは橋本敦さん。D商事にお勤めなの。
えっと、こちらは橋本淳さん。私の・・・中高時代の、同級生」

言った!
ちゃんと言ったよ、私!!


「初めまして」

先に名刺を差し出したのは橋本さん、つまり敦さんの方だった。


「橋本…敦さん。D商事の営業一課?」


両手で受け取った淳ペーが名刺を読み上げた。

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