初恋は実らない
その後は・・・もう最悪としか言えんかった。
やっと連絡の取れた実咲には、小西との事がバレてたし。


実咲かて俺に呆れたんやと思う。
音信は途絶え、俺にはどうする事も出来へんかった。


俺は自分の不甲斐なさを呪った。



あの日の事は俺の中では記憶を消し去りたい程の黒歴史やった。
そんでも大事な事やしキチンと話さなアカンと思たから、小西と話す機会を作ったんやけど…。


「一度寝たぐらいで彼氏気取りとかお断りだからね。
妊娠の心配をしてるんだったら、まず無いから。
ちゃんとゴム使ったし、普段から私、ピル飲んでるしね」


一方的に言い切られてしまった。


俺としては、避妊したとはいえ責任があると思たんやけど。
どうやら小西は俺に付き纏われる方を心配したみたいやった。




数日後、小西はサークルのマネージャーを辞めた。


先輩たちは随分ショックを受けたみたいやけど、正直 俺は清々した。

むしろ、こんな簡単に辞めてしまうんなら最初から引き受けなきゃええのに、とも思うた。

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