初恋は実らない
飲み会以降、裕の態度も変わってしもうた。


きっと・・・
小西との事がバレたんやと思う。


裕は小西の事が好きやったから・・・。
俺が裏切ったと思たんちゃうかな。


赦さへん――

そう思われても仕方あらへんわな。



俺の事を避ける裕。
視線すら合わせへんし。




小西がマネージャーを辞めた直後に、裕もサークルを抜けた。


「小西さんがいなきゃ辞めるよなー」


先輩らも妙に納得してた。
そんぐらい裕が小西に惚れてたのはバレバレやったから。




そもそも俺がサークルに入ったんは裕がキッカケやったから、俺がサークルに残るのはおかしな話やん?


後を追うように辞めるってキャプテンに言うたら・・・
猛反対されてしもうた。


「これ以上、新入部員に抜けられたら困る。
活動に支障をきたすどころか死活問題だ」


そこまで言われたら辞められへんやんか。


結局、俺はサークルに残る事になった。


好きで始めた活動やなかったけど、今思えば救われた部分が多かった。
真っ暗で重苦しい大学生活を一時でも忘れさせてくれたんは、サークルの活動やサークルの連中やったから。

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