初恋は実らない
学年が上がるにつれ、ますます裕と顔を合わす事は無くなった。
就活が始まれば尚の事。


俺が苦戦してる頃、裕が内定したと噂で聞いた。

大手の広告代理店。

まぁ、頭のええ奴やったし当然かな…って。


俺としては裕には申し訳ない気持ちがあったから、自分からは声を掛けられずにいた。
「おめでとう」の一言かて、言えへんままやった。



ギリギリで俺は内定を取れた。
そっから後は卒論に必死やった。


なんとか論文を書き終えた頃に…裕が来たんや。

俺に話があるって。


久しぶりの裕は・・・
顔をこわばらせて緊張してるみたいやった。


やっぱ俺…殴られるんかな??
マジでそんな事を考えた。

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