初恋は実らない
「実咲ちゃんは・・・君がイギリスまで行った事を知らないんだ?」


そうや。
実咲は知らん。
一方的に会いに行った俺の自己満な行動にしか過ぎへんからな。


「それは、彼女にちゃんと伝えた方がいいよ?
君の心証が随分変わると思う」


は?
今、何て?


「敵に塩を送るなんて俺らしくないけど・・・フェアじゃないのは嫌いだ。
事実を知った上で彼女には俺自身を選んで欲しいって思う。

今の状態だと君は完全に不利だろう?
せめて同じ位置に立たないと…ね。
さっきの話を聞いていなかったら、きっとこんな気持ちにはならなかったとは思うけどね」


相当な自信家?
それとも、ただの熱血漢?


俺の存在なんて鬱陶しいだけのはずやのに。


「それって、俺が実咲と会うてもエエと?
そう解釈してもエエんですか?」


「ああ。過去は綺麗サッパリ清算して、俺との結婚を考えて貰いたいからね」


!!!

なんちゅう自信!!


そんでも俺は・・・このチャンスを逃さへん。
ちゃんと実咲に説明するんや!

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