初恋は実らない
いつも通りの練習が終わり、後片付けも済んだ。
淳ペーは慌ただしく予備校に向かって行った。
部員が一人減り、二人減り・・・。
今は雅也くんと二人きり。

「返事・・・貰えるかな?」

ちょっと強張った雅也くんの顔。

「う、うん」

ヤバい。雅也くんの顔がまともに見られない。

「あの・・・あのね、雅也くんに告白されて、すっごく嬉しかったの」

「うん」

「で・・・私なりに、その・・・いろいろと考えてみたんだけど」

「うん」

「やっぱり・・・受けられないな、と」

「・・・・・・」

「ごめんなさいっ!」

「俺じゃダメ? 俺じゃ好きになれない?」

「違うの! 雅也くんはステキだし・・・一緒にいて楽しいの。それは本当。
だけど、私の心の中に・・・別の人がいて。
好きな人がいるの!だから、だから・・・」

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