初恋は実らない
「実咲ちゃんの好きな人って誰?」

「そ、それは・・・」

「もしかして・・・淳?」

!!!

「ち、違うっ! 淳ペーじゃない」

「じゃあ誰? 俺の知らないヤツ?」

どうしよう・・・。
でも、否定した以上、今さら淳ペーだなんて言えないよ。

「ん。雅也くんの知らない・・・同じ中学だった人」

「その人に・・・告るの?」

思いがけない質問に、私は首を大きく横に振った。

「その人には、好きな人がいるの。
だから私じゃダメって分かってるけど・・・やっぱり諦めるなんて出来なくて。
こんな気持ちで雅也くんと付き合うなんて、私にはやっぱり出来ない」

「相手に届く見込みがないんなら・・・俺でもいいじゃん?
すぐに忘れろなんて言わないよ?それでもダメなの?」

「ごめん・・・」

< 60 / 284 >

この作品をシェア

pagetop